獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~
それから、ハトシェプスト女王葬祭殿を見て、レストランで食事をしてホテルに戻ると、もうすっかり日が暮れて月が輝いていた。
時刻は、午後八時過ぎ。
部屋の奥のベッドルームにスーツケースを移動させて初めて気づく。
ベッドがひとつしかない。
しかも、キングサイズの大きなベッド。
その上にはハート型に並べられたバスローブが二着。
室内はお香を焚いたのか、ムスク系の匂いがする。
……これじゃあ、まるでハネムーンの部屋じゃないの。
ソファで寝ると言ってもまた反対されるだろうな。
前に鷹臣君とベッドで過ごしたことを思い出す。
あ~、どうしよう〜!
これじゃあ、落ち着いて眠れないよ。
ベッドの上の枕を縦に並べて境界線を作っていたら、彼が入ってきた。
「なにやってんの?」
「鷹臣君は左側で寝てね。私は右側で寝るから」
境界線を完成させると、チラリと彼を見た。
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