獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~
バンを降りて辺りを見回すと、鷹臣君が私の頭にポンと手を置き、先生の顔で釘を刺す。
「俺達から離れてウロチョロしないように」
「……はーい」
ファイサル王子の件もあって少しむくれながら返事をする。
現場は発掘作業をしているせいか、かなり埃っぽい。
マスク持ってくればよかったな。
でも、この暑さだと蒸れるか。
「鈴音さん、危ないですからこのヘルメットつけてくださいね」
健吾さんにヘルメットを手渡され、「はい」と返事をして装着する。
「おっ、鈴音ちゃん、ヘルメット似合う〜」
晴人さんが私を見て褒めてくれるが、ヘルメット姿が似合うと言われても、あまりピントこない。
「……どうも」
一応お礼言いながら、テントの中の器材を健吾さん達と一緒に確認していく。
近くでは現地の作業員達が何やら歌を歌いながら岩を堀っていた。
二十〜三十人くらいいそう。
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