獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~
晴人に確認すると、彼はその瞳を曇らせた。
「二、三十分前にトイレに行ったはずなんですけど。……まだ戻ってないって、大丈夫かな?この暑さで倒れたんじゃ……」
海斗がそう言い終わる前に、俺の身体は動いていた。
トイレの方に向かって走る。
トレーラーにはトイレが四つついていたが、三つは使用されていた。
右から順番に使用されているトイレのドアを叩くと、左端のトイレだけ何の反応もなかった。
ドアに耳を近づけるが、なんの物音も聞こえない。
ここに鈴音がいるのだとしたら?
俺は迷わず勢いをつけてドアを蹴破った。
すると、トイレの中には気を失って壁に背を預けて座り込んでる彼女がいた。
「鈴音!」
近づいて彼女の身体を抱き抱えながら声をかける。
ずっと密室にいたせいか、鈴音の顔は汗だくで服も汗でベトベトしていた。
このままだとマズイ。
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