獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~
「鷹臣、なにかあったのか?」
気遣うファイサルに笑顔を作り、彼の視界から鈴音を遮る。
「なんでもない。ちょっと助手が気分悪くなっただけだよ」
ファイサルはプレイボーイだし、鈴音に関心を持たれたくない。
だが、彼はすぐにこの場を去らず、彼女の顔を覗き込んだ。
「……助手?こんな綺麗な子が?」
「俺の学生なんだ。こっちは気にしなくていいから」
俺がファイサルと話していると、健吾がしゃがみ込んで鈴音に声をかける。
「鈴音さん、顔色悪いですね。しばらく休んでいた方がいいですよ」
健吾の言葉にファイサルの眉がピクッと反応した。
「健吾さん、ありがとう。でも、平気だよ」
鈴音が健吾にそう返事をすると、ファイサルも座り込んで鈴音に話しかける。
「『鈴音』?鷹臣の幼馴染の?」
ファイサルは彼女の名前と幼少時の顔を知っている。
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