獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~
「え?でも……」
反論しようとする彼女の唇に指を当てる。
「まだ、顔が青い。無理するとまた倒れるよ」
「もう倒れないよ。自分の身体のことは自分がよくわかってる」
鈴音はムキになってそう言い張るが、無理をさせるわけにはいかない。
「鈴音、まだこっちの気候に身体がなれていないんだ。明日帰るわけじゃない。休まないとダメだ。健吾、悪いけどこのままホテルに残って、データの編集してくれる?」
健吾に目をやれば、彼はコクッと頷いた。
「あっ、はい」
「鷹臣君、私ならひとりで大丈夫だよ」
鈴音は納得がいかないのか、俺の指示に素直に「うん」とは言わなかった。
だが、俺もそこは譲れない。
オールマンのこともあるし、ひとりにはしておけないのだ。
「急に鈴音の具合がまた悪くなるかもしれない。ひとりには出来ない」
「それだと健吾さんに迷惑が……」


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