獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~
困惑した表情で俺を見る鈴音の肩にポンと手を置く。
「そんなことを気にする暇があったら、ちゃんと休んで体調戻すこと。まずはシャワー浴びておいで」
有無を言わせぬ笑顔で言ったのが気に入らなかったのか、彼女は無言で寝室に引き篭もった。
「先生、僕が行って様子を見て来ましょうか?」
鈴音を気にして健吾が言うが、俺は頭を振った。
「いや、いい。ちょっと機嫌が悪いだけだよ」
そう言って、彼を安心させる。
俺も鈴音がファイサルの誘いを受けようとしてイライラしていたのかもしれない。
なにを焦っているのだろう。
こんな自分は初めてだ。
もっとクールになれ。
グシャッと髪をかき上げる。
だが、ファイサルが彼女に興味を持ったことで妙な胸騒ぎがした。
「健吾達は先に食事行ってて。俺は鈴音の様子を見るから」
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