獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~
「た、鷹臣……くーん」
ブルブル震えながら彼の名を呼べば、バンと勢いよくドアが開いて鷹臣君が慌てた様子で現れた。
「鈴音!どうした?」
屈んで私の顔を覗き込む彼。
「壁に……ト、トカゲが」
パニック状態でトカゲがいる方を指差せば、鷹臣君は「トカゲ?」と呟きながら壁を見る。
「ああ、これはトカゲじゃなくてヤモリだよ」
彼は平然とした顔で言って、ヤモリを難なく掴む。
「ヤモリは家を守ってくれるんだけどな」
フッと笑いながら窓を開け、鷹臣君はヤモリを追い出した。
「トカゲもヤモリも私にとっては大差ないよ!」
どっちも爬虫類ではないか。
身体を震わせながら文句を言ったら、彼は手を石鹸で洗ってバスタオルを掴み、私の身体にかけた。
「鈴音は爬虫類苦手だからね」
そう言って、彼は服が濡れるのも構わず私を抱き寄せる。
「もう大丈夫だよ」
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