獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~
仕方なくベッドから起き上がり、重い身体を引きずるようにゆっくり椅子に腰掛ける。
「乾かし終わったらベッドで寝ていいから」
穏やかな声で言いながら私の髪をドライヤーする彼。
身体が疲れているせいもあるかもしれないが、人に乾かしてもらうと気持ち良くて、ボーッとまどろんでしまう。
シャワー浴びる前は鷹臣君に腹を立ててたのになあ。
「鷹臣君……さっきはごめんね」
素直に言葉が出た。
「いや、俺も言い方が厳しかったかも。鈴音、ごめん」
彼の言葉を聞いて、少し重かった気持ちが楽になる。
「ううん……私が……悪いの」
「機嫌が悪い鈴音も可愛くて好きだよ」
優しい言葉で鷹臣君は私を甘やかす。
どんな私でも受け入れてくれる彼。
でも、父でも兄でもない。
特別な存在。
「鷹臣君……私に甘すぎ」
クスッと笑えば、彼は茶目っ気たっぷりに微笑んだ。
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