獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~
無理をすればみんなに迷惑をかけるだけだ。
「やけに素直だな」
鷹臣君は私の目を見てフッと微笑する。
その弄りに対し、彼の胸を軽くコンと叩いた。
「いろいろ反省したの」
「なんだ。やっと鈴音の反抗期がきたかと思ったらもう終わりか」
ククッと笑いながら残念がる鷹臣君を見てボソッと呟いた。
「私の反抗期の時期は鷹臣君ずっとイギリスだったじゃないの」
鷹臣君と一緒に戻って来た晴人さんが驚きの声を上げた。
「嘘!鈴音ちゃんって反抗期なかったんすか?」
そう、私には反抗期はなかった。
両親は共働きだったし、五歳下の弟はいたし……自分がしっかりしなきゃって思ってたんだよね。
「反抗期なかったけど……鷹臣君がイギリスに行っちゃって、近くに本音をぶつけられる相手がいなかっただけなのかも」
当時の寂しさを思い出し、ついつい鷹臣君への恨み言を口にしてしまう。
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