獣な彼の目覚める独占欲～エリート准教授に熱い夜を教えられました～

すると、鷹臣君は真剣な眼差しで告げた。
「もう鈴音を置いてどこにもいかないよ」
その約束に胸がジーンとなる。
「あ～、ご馳走様です。俺シャワー浴びて来よう」
ポリポリと頭をかきながら晴人さんが自分の寝室に消えると、健吾さんもパソコンを片付け、「僕はちょっと売店に」と言って部屋を出て行く。
リビングにふたりだけとなった私達。
……この展開、前にもなかったっけ？
首を傾げていると、窓辺にいる鷹臣君に呼ばれた。
「鈴音、こっちに来てごらん」
窓辺に佇む彼は見ているだけで絵になる。
「なにかいいものでも見えたの？」
鷹臣君に近づいて窓を見れば、美しい景色が目に映った。
「わあ～、綺麗」
思わず歓声を上げる私。
夕日がナイル川にゆっくりと沈んでいく。
黄昏色に染まるルクソールの街。
東京とは時間の流れ方が違う。
静かな波のように静かで、穏やかだ。