獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~
言われてハッとする。
あー、イタズラ書きのことすっかり忘れてた〜⁉︎
サーッと血の気が引いていく私。
「ご、ご、ごめんなさい」
激しく狼狽えながらも、彼から離れようと上体を反らす。
だが、鷹臣君は私の顎を掴み、親指の腹で私の下唇をゆっくりとなぞった。
ゾクゾクと身体に震えが走るが、彼から目を離せない。
「た……鷹臣君?」
その名を呟けば、彼は悪魔のように妖艶に微笑んだ。
「次イタズラしたら、ここにキスするよ」
「はは……ご冗談を」
引きつった顔で笑う私を見て、彼はニヤリとする。
「冗談かどうか次試してみれば?」
「……エンリョシマス」
たどたどしく答えると、彼は私を突然解放した。
「遠慮しなくていいのに。行ってきます」
鷹臣君は爽やかに手を振って家を後にする。
バタンと玄関のドアが締まると、へなへなとその場にくずおれた。
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