獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~
「なんだったの?」
心臓がドッドッドッと早鐘を打っている。
胸を押さえながら、さっき起こった出来事を反芻した。
鷹臣君の顔が近づいて……鼻を噛まれて……。
私の知ってる彼じゃなかった。
「ただの冗談?それとも本気?」
普段穏やかな彼が、あの時悪魔に見えた。
いや、そんなはずない。
私の気のせいだ。
ブンブンと頭を振る。
「イタズラしたからからかわれたんだ。きっと」
あー、もう今日はなんなの?
鷹臣君の裸は見るし……。
「朝から心臓持たないよ。鷹臣君の馬鹿〜!」
ここにいない彼を大声で罵る。
すると、玄関のドアがガチャッと開いた。
一瞬、鷹臣君が戻って来たかと思ってビクッとしたが、入ってきたのは学ラン姿の弟だった。
日に焼けた茶髪。高校でテニスをやっているせいか精悍な顔立ちをしていて、身長は百七十八センチでまだ伸びている。
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