獣な彼の目覚める独占欲～エリート准教授に熱い夜を教えられました～

彼女がなにか事件に巻き込まれたんじゃないかと不安になる。
「晴人、念のためトイレに鈴音がいないか見てきてくれないか？」
俺が頼むと同時に晴人は「はい」と返事をしてトイレの方に走った。
鈴音と連絡を取ろうとズボンのポケットのスマホに手を伸ばしたら、着信音がした。
鈴音か？
そう思ってスマホを見れば、ファイサルからの着信。
「はい」と電話に出ると、彼はゆっくりと告げた。
《鷹臣、鈴音を預かっている。明日の朝ホテルに返すよ》
「ちょっと待て……!?」
思わず声を荒げたが、ファイサルは一方的に電話を切る。
チッと舌打ちしながら、スマホを睨みつけた。
「ファイサルの奴……」
わざわざ明日の朝鈴音を返すと言ってきたということは、彼女を抱くと言っているようなもの。
単に俺があたふたするのを楽しみたいだけなのかもしれない。
だが、ファイサルが本気だとしたら？