獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~
じっと鈴音が戻って来るのを待つなんてできない。
「今の電話ファイサル王子からなんですか?なんて?」
健吾が俺に近づきながら尋ねる。
「鈴音を預かってるって知らせて来た」
セメフト女王のカノプス壺が出てきた喜びも、ファイサルのせいで全部吹き飛ぶ。
「ファイサル王子が鈴音さんを?なにを企んでるんでしょうね。わざわざ先生に知らせて来るなんて挑発してるようにしか思えませんけど」
「俺は鈴音を連れ戻すから、後のことはお前に任せる」
「はい、こちらは心配ないですから」
俺を安心させるように健吾が答えると、晴人がこちらに息せき切って戻って来た。
「先生〜、鈴音ちゃんトイレにはいませんでした」
「ああ。鈴音はファイサル王子といるらしい。俺は彼女を迎えに行くから、晴人は健吾と倉庫に行ってくれないか」
俺の説明を晴人は真剣な表情で聞く。
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