獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~
「わかりました」
彼が俺の目を見て返事をすると、すぐにタクシーを呼んだ。
問題はファイサルが今どこにいるかということだ。
彼が所有してるホテル、別荘、メガヨット……。
考えられる居場所はこの三つ。
ファイサルは俺に来いと暗に言っている。
だとしたら、川をクルーズするメガヨットはない……か。
ホテルも他の客がいるし、ファイサルにとっては完全なプライベート空間ではない。
「……別荘だな」
スマホで別荘の住所調べようとしたら、メールが一通届いていた。
鈴音からだ。
すぐにメールを開けば、【ファイサルさんに呼ばれたのでちょっと行ってきます】と書かれていた。
その能天気な文面にハーッと溜め息が出た。
なんなんだ?
この緊張感の欠片もない文。
鈴音はやはり危機管理能力が低すぎる。
自分がさらわれたって自覚ゼロ。
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