獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~
もうここで引くわけにはいかない。
正面玄関に猛ダッシュして、周囲にいた警備の兵を振り切る。
ドアの前にいる兵ともみ合うも、なんとか倒して中に入る。
鈴音を取り戻すことしか頭になかった。
「どこにいる?」
視線を左右に動かして彼女を探す。
闇雲に探したのでは効率が悪いし、すぐに警備の兵に捕まってしまう。
ファイサルがいるところには必ず兵や部下がいるはず。
玄関を右手に進んだ奥に兵が三名いた。
多分奥の部屋に鈴音がいるのだろう。
一度に三人も相手をするのは兵法上無謀というもの。
兵を分散させる必要がある。
近くには階段。
手元にあった高価そうなガラスの瓶を掴み、階段に向かって思い切り投げた。
ガシャンと大きな音がして、兵がふたり階段の方へ走っていく。
すかさず残った兵に突進して顎を蹴り上げて倒すと、他の兵が戻ってきて、取っ組み合いになった。
< 180 / 268 >

この作品をシェア

pagetop