獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~
その目は違うものを映しているような気がした。
「じゃあ、その部屋にセメフト女王のミイラがあるのかな?」
期待を込めて鷹臣君に尋ねたら、彼はフッと微笑した。
「さあ、どうだろう。掘り進めてみないとね」
曖昧に答えるが、彼はなにかを確信している様子。
突っ込んで聞きたいけど、まだ教えてくれないだろうな。
最後に残っていた作業員が引き揚げようとしたが、誰かが片付け忘れたスコップに躓き転倒。
あの茶色のガラビアを着た人だ。
「大丈夫ですか?」
駆け寄って声をかけたら、その作業員が巻いていたターバンが外れた。
黒髪に緑の目……。
どこかで……見た。
「ああ~、オールマン!」
指差して大声を上げる。
肌になにかを塗っていて浅黒く見えるが、オールマンに間違いない。
「あ~、見つかっちゃったな」
< 203 / 268 >

この作品をシェア

pagetop