獣な彼の目覚める独占欲～エリート准教授に熱い夜を教えられました～

「鷹臣……君」
「どこか痛いところはない？」
怪我をしていないか心配で確認すれば、彼女はむせながら答えた。
「コホッ……だ、大丈夫」
それを聞いてひとまずホッとする。
「鷹臣君は怪我ない？私をかばったでしょう？」
鈴音が心配そうに俺を見る。
背中が少し痛いが、「大丈夫だよ」と彼女に微笑んだ。
大怪我でもないし、鈴音を心配させたくない。
辺りをキョロキョロ見回すと、外への出入口が岩で塞がれていた。
これではすぐに外に出られない。
スマホで健吾に連絡を取ろうとしたが、この爆発の混乱でどこかに落としてしまったらしい。
多分、岩の下敷きになってるだろうな。
「鈴音、今スマホ持ってる？」
抱擁を解いて尋ねたら、彼女は着ていたジャケットのポケットを探る。
「スマホ……スマホ……あっ、テントに忘れて来ちゃった。……ごめん」