獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~
気まずそうな顔をする鈴音。
「気にしない。俺のはどっかにいっちゃったしね」
安心させるように笑って、ポンと彼女の頭に手を置いた。
ふたりともたいした怪我がないのはよかったが、外部と連絡が取れないのがちょっと厄介だな。
救助が来るのをじっと待つしかない。
また岩が崩れるかもしれないし、早く外に出たいのだが。
健吾達は大丈夫だっただろうか。
この爆発、タイミングといいオールマンの仕業だろう。
あいつ、無事に出られたら絶対に許さない。
心の中で毒づきながら、胸ポケットからペンライトを出した。
俺達の頭上には大きな岩。
縦一メートル、横二メートル程の大きなものだ。
「この岩が俺と鈴音を守ってくれたんだ。……いや……これは……石碑だ」
頭上をペンライトで照らすと文字のようなものが見える。
形状も平たく、明らかに人の手が加えられたものだ。
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