獣な彼の目覚める独占欲～エリート准教授に熱い夜を教えられました～

「石碑？……もしかしてセメフト女王に関するものかな？」
鈴音が目を輝かせる。
「鈴音のヘッドライトつけて、右上を照らしてみてくれる？」
もっと明るければ見えるかもしれない。
「うん。どう、なんて書いてあるか読める？」
目を凝らして石碑を見る。
少し周囲が明るくなって、文字が見えた。
「フヌムは……セメフトにより病が流行ったと噂を流し……王の座に返り咲いた。セメフトは失脚し……フヌムから逃れ、この西の……地に地下神殿を……築いた」
フヌムというのはセメフトにより国外追放になったといわれているファラオ。
石碑を読んでいるうちに、総毛立った。
ここに……地下神殿があるかもしれない。
メフティス女王の墓にあった副葬品の記述とは少し異なるが、セメフト女王が神殿を作ったのは確からしい。