獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~
微かにシャンパンの味がする。
そういえば、彼がさっき飲んでたっけ。
頭の片隅でそんなことを思ったら、鷹臣君が私と目を合わせ、いたずらっぽく目を光らせた。
「キス、上手くなったね。先生がいいからかな?」
さっきまで必死だったのに、彼の言葉で緊迫していた糸が急に緩んだ。
クスッと笑みを零し、茶目っ気たっぷりに聞く。
「これで『優』の評価もらえる?」
「もちろん」
彼は極上の笑みを浮かべ、お返しにとろけるようなキスをした。



朝、目が覚めると、彼はまだ眠っていた。
この一ヶ月、仕事が多忙だったし、疲れていたんだと思う。
私が寝た後も、リビングでずっと仕事をしていたもんね。
今日いよいよエジプトを発つ。
長いようで短かったなあ。
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