獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~
自分より二十センチ以上背が高くなった悟を見上げれば、彼はニヤリとした。
「学園祭も来たけど、もっと大学の雰囲気知っておきたくて。俺将来ここに入るし」
……受かる気満々だな。
自信家って思うけど、弟は頭もいいし、要領もいいから、無事に合格するんだと思う。
この性格……誰に似たのか。
あっ……鷹臣君……か。
彼は弟のように人に言わないだけで、自分が失敗するとか考えない。
なにをするにしても完璧でそつがないのだ。
「ねえ、その男の子誰?」
友達が聞いてきて、「弟だよ」と紹介すると、「わ〜、美形〜!」と友達四人が悟を取り囲んでキャッキャッ騒ぐ。
だが、弟は慣れっこなのか、にこやかに対応して彼女達との写真撮影に応じていた。
その姿をやっぱ鷹臣君に似たんだと確信する。
「鈴音と弟君ふたりで撮ってあげるよ」
ある友達が気を利かせてそう声をかけた。
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