獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~
「ホント、先生は鈴音ちゃんに甘いっすよね」
晴人さんが腕を組みながら私と鷹臣君に目を向ける。
「胃袋掴まれてるからね。ところで鈴音、今日は夕飯いいからちょっと付き合って」
鷹臣君は茶目っ気たっぷりに返すと私に微笑んだ。
「ん?なにかあるの?」
どこかに食事にでも連れて行ってくれるのかな?
理由を聞いたが彼は曖昧に答える。
「まあね」
昼食が終わると鷹臣君に論文を見てもらい、それから彼に頼まれて文献を探したり、資料を作成したりしているうちにあっという間に日が暮れてしまった。
「もう五時か」
鷹臣君は腕時計を見ながらそう呟くと、自分のデスクの横に置いてあった紙袋を掴んで私に差し出す。
「鈴音、これに着替えて来て」
「なんで?」
袋を受け取って鷹臣君の顔をじっと見るが、「いいから早く」と彼に急かされる。
なんなの?
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