獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~
怒りに満ちた目で告げて、オールマンから手を離す。
すると、奴は脱兎のごとく逃げ去った。
「ホント、逃げ足だけは早い奴」
呆れながら呟いて、鈴音に目を向ける。
「大丈夫か?」
優しく彼女に声をかけると、バンと胸を叩かれた。
「遅すぎ!あの変なのに絡まれて怖かったんだからね!」
鈴音は涙目で怒りをぶつけてくる。
「ごめん」
ちょっと話をするつもりが、次から次へと人がやって来て抜けられなくなった。
彼女の肩にそっと触れてなだめようとするが、服が冷たくて驚いた。
「ずっとここにいたら風邪を引く。中に戻ろう」
鈴音を促すが、彼女は動こうとしない。
「いや!だいたい鷹臣君はねえ、私を連れてきたくせに放置して、金髪美女とデレデレしながら話しててさあ。だったら、最初からあの人エスコートしなさいよ」
彼女はじとっとした目でくどくど文句を言う。
< 42 / 268 >

この作品をシェア

pagetop