獣な彼の目覚める独占欲～エリート准教授に熱い夜を教えられました～

やんわりと注意すれば、彼女は手を合わせて謝った。
「ごめんね。買い物に夢中になってつい」
「ずいぶん買い込みましたねえ。卒業旅行の準備ですか？」
健吾が鈴音の荷物を見てそう問い掛ければ、彼女はどこかぎこちない表情で笑った。
「そ、そうなの。ハワイ初めてだし、なにを用意すればいいかいろいろ迷っちゃって」
鈴音の話では、女友達とハワイに卒業旅行に行くらしい。
そのせいかここ数日そわそわしている。
「あっ、水着とか買った？ここでお披露目してもいいよ」
晴人がニヤニヤするので、手元にあった書類で彼の頭をポンと叩いた。
「晴人、学生になに要求してる？」
ギロッと睨めば、彼はブルッと震え、軍隊の下士官のようにペコリと頭を下げて謝る。
「調子に乗りました。すみません」
「晴人、懲りないね」
俺の横で健吾が呆れ顔で笑った。