獣な彼の目覚める独占欲～エリート准教授に熱い夜を教えられました～

「ところで鈴音、なに買って来たの？」
彼女の荷物を覗き込んで聞けば、俺の視線を避けるようにそれらを床に置いてヘラヘラ笑った。
「え～と、日焼け止めとか、お薬とか、サングラスとかいろいろだよ」
「ふ～ん、この大量のウェットティッシュとポケットティッシュもハワイに持って行くんだ？」
ビニール袋いっぱいに入っているのを見て思わず突っ込むと、鈴音はなぜか動揺しながら答えた。
「や、やだなあ。これは自宅用」
この狼狽え方、怪しい。
それに、自宅でポケットティッシュは普通使わないだろう。
たとえ、ハワイに持って行くにしても多すぎだ。
「鷹臣君達はいよいよ明日出発だね。気をつけて行ってきてね」
鈴音がニコッと笑顔で言うが、その顔は引きつっていた。
「鈴音さんは明後日からハワイでしたっけ？」
健吾の質問に彼女は「うん、そうだよ」と返すが、目が泳いでいる。