獣な彼の目覚める独占欲～エリート准教授に熱い夜を教えられました～

「妬いてません！」
悟にからかわれ、彼女は全力で否定する。
「でもさあ、姉ちゃんは図星を指されるとムキになるんだよね」
笑って指摘する悟から顔を背け、鈴音はひとり家に戻る。
「もう知らない！」
鈴音の後ろ姿を見つめ、クスクス笑う悟。
「あ～あ、反論出来ないからって怒って逃げたよ。鷹臣さんはもう姉ちゃんに告ったの？」
言われてみれば、ちゃんと言葉にはしていなかったかもしれない。
先に行動に出てしまった。
匂わせる発言はしたが、はっきり言わないと鈴音の場合はだめだろうな。
結構彼女は鈍い。
「まだ……だな」
苦笑しながら答える。
「はたから見てると、ふたりは恋人同士にしか見えないよ。姉ちゃんも恋する女って顔してるし」
悟の発言に少し驚いた。
鈴音が俺のことをまだ異性として好きではないと感じていたのだが、弟視点では違うらしい。