獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~
「ええ?鷹臣君と一緒?私はそこのソファでいいよ」
ハハッと乾いた笑いを浮かべながら豪華なソファを指差せば、鷹臣君は「ダメ」と首を横に振る。
「俺の言うことに従うんじゃなかった?」
その有無を言わせぬ笑顔に、ゾクッとした。
「わかりました」
最近思う。
鷹臣君って結構Sだよね?
それに、底知れぬ怖さがある。
怒鳴られるよりこの笑顔の方が恐ろしい。
それから、手配してあったバンに乗ってみんなで王家の谷まで移動した。
二月のエジプトは最高気温二十五度くらいで割と過ごしやすいと聞いていたのに、今日は気温三十五度の猛暑。
今週は異常気象のせいか、ずっとそんな天気らしい。
おまけに空気が乾燥してるし、太陽の日差しが眩しい。
水を飲んでも、喉の渇きはおさまらない。
駐車場から十分程カートに乗って入り口まで移動すると、荒涼とした岩山に到着。
< 94 / 268 >

この作品をシェア

pagetop