獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~
王家の谷は普通は撮影禁止なんだけど、鷹臣君が許可を取ったみたいで今回特別に許可された。
助手のみんなは、写真を撮りながらかなり興奮している。
でも、私は写真を撮ることも忘れ、壁画に見入っていた。
「綺麗……」
紺色に塗られた天井も無数の黄色い星が全面に描かれていて、一日中いても飽きない気がする。
ただ一つ残念な事と言えば、ネフティス女王のミイラと副装品がカイロの博物館にある事だろうか。
玄室に置いてある石棺は鷹臣君の話だとレプリカらしい。
でも、改めて思う。
鷹臣君って凄い。
この墓を発見した時、今の私なんかよりもっと鷹臣君は興奮して感動したはずだ。
何かにとりつかれたかのように壁画を見ていると、鷹臣君に声をかけられた。
「そろそろツタンカーメンの墓見に行く?せっかく来たんだから見ておきたいだろ?」
「……ツタンカーメン」
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