獣な彼の目覚める独占欲~エリート准教授に熱い夜を教えられました~
ボーッと呟けば、鷹臣君はクスッと笑った。
「この墓に魂持っていかれた?」
「だってここにいると満天の星見てるみたいなんだもん。綺麗過ぎて夢見てるみたい」
ツタンカーメンのお墓も有名だから見たいって思ってたけど、そんなことすっかり忘れてた。
「発見した時は金の副装品があったからもっときらびやかだったよ」
キラキラした目で語る彼が羨ましくてしかたがない。
「いいなあ。私もその時一緒にいたかった」
「今回運がよければ鈴音もその感動を味わえるかもね」
そう言って鷹臣君は私の手を握って来た。
「なんで手?」
驚いて鷹臣君を見上げれば、彼は茶目っ気たっぷりに笑った。
「ネフティス女王に鈴音が連れていかれそうな気がしたんだ」
「なに言ってんだか。ねえ、手繋ぐのって私が小学生以来じゃない?なんか……照れる」
実は久々に手を繋いで恥ずかしかった。
< 98 / 268 >

この作品をシェア

pagetop