いつかのラブレターを、きみにもう一度
「おは……こんにちは」

 十時半開店のお店だけれど、それよりも最低十五分前には入って準備をすることになっている。央寺くんは、レジ下の棚の整理をしているところだった。

「おはようでいいよ」
「……おはよう」

 あぁ、やっぱり気まずい。店がまだ開いていないから店内にはふたりだけだし、お客さんが来てくれたほうがいい。

「俺が教育係だって聞いた? 店長に」
「……うん」
「同じ中学だったって言わなければよかったね。昨日、俺に対して緊張するって言ってたのに」

 しゃがんで棚の中の袋をそろえながら話しかけてくる央寺くんに、
「いや……えっと……」
 と、また返答に困ってしまう。

 央寺くんの口調は怖くないのに、淡々としゃべるから感情が読み取れない。表情にも出ないから、その“ごめんね”はどういうニュアンスで言っているのかわからない。
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