いつかのラブレターを、きみにもう一度
「お……お疲れ様でした」

 永遠のようにも思えたバイト時間が終わり、私は早々とスタッフ用の裏口から外へと出る。夕方四時半。四時からのバイトの人と交代して、着替えたり店長と話をしたりしていたら、この時間になった。

 話と言っても、初めて会うスタッフの紹介と、今後のシフトについて。また土日にお願いね、と言われ、私は苦いものを飲みこむように返事をして頷いた。

「はぁ……」

 バイト内容も、スタッフとも、これからうまくやっていける気がまったくしない。最寄りのバス停に向かいながら、空を見上げる。十一月のこの時間帯の空は、一ヶ月前と比べてだいぶ薄暗くなってきたようで、まるで私の心の中みたいだ。

 大通りのバス停に着いた私は、その軒下に入った。このバス停は横に長く屋根がついていて、ベンチもあって待合所のようになっている。けれども、そのわりには人は少なく、一番端におばさんがひとり座っているだけだった。

 私はその反対端に座り、もう一度大きくため息をつく。
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