いつかのラブレターを、きみにもう一度
央寺くんの口から“中三”と聞くだけで、体がガチンと強張った。

「そ……」

次に何を言われるのだろうと、心拍が急激に上がっていく。

「まぁ、あれは……」

 覚えてるんだ。その思いよりも先に、聞きたくない、話したくないという気持ちが勝って、
「いい。あの時の話は、もう。忘れたいから」
 と無理やり話を切った。

 どもらずにはっきりと言えたことに、自分でもびっくりする。

「……しゃべった、姫野」
「え?」
「昨日も今日もろくな会話ができてないから、新鮮」
「……あ……」

 ほんの少し驚いたような顔をした央寺くんを見て、私はまたカッと顔が熱くなり、俯いて自分の靴へと目を移した。横から央寺くんが小さく鼻で息を吐いたのがわかる。きっと呆れているのだろう。
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