いつかのラブレターを、きみにもう一度
あの日の出来事
翌日の月曜日は雨だった。
昼休みはいつも外で食べたり遊んだりしている人たちが、今日は教室の中にいてちょっと騒がしい。そんな中……。
「何それ! 和奈、ロックオンされてるじゃない!」
頼子の大きな声が誰よりも響き、注目を浴びた私はまっ赤になって「シー」と三回ばかり繰り返した。
「失礼。なんですのそれ。和奈さん、ロックオンされていらっしゃるのではございません?」
「丁寧に言えばいいってことじゃなくて」
頼子の冗談に小声でツッコみ、ようやく解かれた注目に、赤くなっていた顔が少しずつ戻っていく。
「違うの。私があまりにも使い物にならないし、かといって人手不足で辞めさせるわけにもいかないらしいから、教育係として仕方なくだと思う」
「それだけで、平日に毎晩電話するとか提案するかしら?」
そう、昨日央寺くんに提案されたのだ。男の人と話をして緊張を解く練習として、バイトがある時はバス停で話をすること、そして平日は毎晩十時半に電話で将棋対局をすることを。
昼休みはいつも外で食べたり遊んだりしている人たちが、今日は教室の中にいてちょっと騒がしい。そんな中……。
「何それ! 和奈、ロックオンされてるじゃない!」
頼子の大きな声が誰よりも響き、注目を浴びた私はまっ赤になって「シー」と三回ばかり繰り返した。
「失礼。なんですのそれ。和奈さん、ロックオンされていらっしゃるのではございません?」
「丁寧に言えばいいってことじゃなくて」
頼子の冗談に小声でツッコみ、ようやく解かれた注目に、赤くなっていた顔が少しずつ戻っていく。
「違うの。私があまりにも使い物にならないし、かといって人手不足で辞めさせるわけにもいかないらしいから、教育係として仕方なくだと思う」
「それだけで、平日に毎晩電話するとか提案するかしら?」
そう、昨日央寺くんに提案されたのだ。男の人と話をして緊張を解く練習として、バイトがある時はバス停で話をすること、そして平日は毎晩十時半に電話で将棋対局をすることを。