いつかのラブレターを、きみにもう一度
「何やってんだよ、殿村」
「殿村くん、からかったらかわいそうだよー。姫野さん、天然記念物なんだから」
「赤面して顔隠すとか、漫画みたい」
男女の笑い声が周りから聞こえ、注目されていること、からかわれていることに気付く。
何も言えないでいると、頼子が、
「殿村くん、うちらの半径一メートル以内接近禁止」
と言い渡し、私に眼鏡を返してくれた。
シッシッ、と手で追い払うような頼子の声の後、「はいはい、退散しますよ」という殿村くんの声が続いた。そこで隠していた顔を上げた私は、あきれ果てた様子で腰に手を当てている頼子を見る。
「今のは殿村くんが悪い。確実に悪いよ?」
そう言って、大きく息を吐いた頼子は、
「でも、何も言えない和奈がいいとは、やっぱり思えないわ」
そう言って、私の肩をポンと叩いた。
「殿村くん、からかったらかわいそうだよー。姫野さん、天然記念物なんだから」
「赤面して顔隠すとか、漫画みたい」
男女の笑い声が周りから聞こえ、注目されていること、からかわれていることに気付く。
何も言えないでいると、頼子が、
「殿村くん、うちらの半径一メートル以内接近禁止」
と言い渡し、私に眼鏡を返してくれた。
シッシッ、と手で追い払うような頼子の声の後、「はいはい、退散しますよ」という殿村くんの声が続いた。そこで隠していた顔を上げた私は、あきれ果てた様子で腰に手を当てている頼子を見る。
「今のは殿村くんが悪い。確実に悪いよ?」
そう言って、大きく息を吐いた頼子は、
「でも、何も言えない和奈がいいとは、やっぱり思えないわ」
そう言って、私の肩をポンと叩いた。