恋愛の仕方おしえます。
ー翌日ー

いつもどおり、
朝8時前に会社へ出勤すると、
チーム長から引き止められた。

「あ、藍川さん。違う違う違う違う!」

いや、そんなに違うを連呼しなくても…

一体なんだと言うのだ。

「あれ…、あってますよね?
ここ、私のデスクです。」

「いや、まぁ、そうなんだけど…
社長から聞いてない?
今日から藍川さん、
1ヶ月だけ社長室へ移動って。」

…もはや、開いた口が塞がらなかった。

抹消したはずの記憶は私の中ですぐに蘇ってくる。

…まさか、

社長は私の乗った階を覚えていた?

それだけで部署がバレたのか!?

チーム長の話を聞きつけて、
ざわざわと同僚達がざわめき出す。

「え、藍川さん移動って…ずるい。」

「いいなぁ〜!なんで藍川さんだけ!?」

「私も社長室行きたいのに。」

っずるい!?

なぜそうなる…。

だったら変わってくれ!

「あの、でも…他の方でもいいんじゃ…」

「ダメ!社長命令は絶対なの。
つべこべ言わずに早く行って!」

またしても問答無用で
エレベーターに押し込まれてしまった。

-ー「社長室は最上階だからね!」--



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