恋愛の仕方おしえます。
---それからの挨拶回りで、
ずっと藍川を連れ回していたら、
だんだんと藍川の歩くペースが遅くなっていく。
表情も強張って来たし、
さっきから足元を気にしてるようだった。
…足が痛いのか?
本社へ戻る車内で、
考察していると、
ぐるるるる〜〜〜っと、
藍川の腹が鳴る。
「ぷっ、はは。デケェ音。腹減ったんだ?」
その豪快な音を聞いて
思わず吹き出さずにはいられなかった。
本当に、次から次へ、面白いやつ。
恥ずかしがってる顔が可愛いので、
もっと苛めたくなる…。
予定外だったけど
仕方なく適当なレストランへ連れていき、
靴も買ってやった。
午後から本社へ戻ると、
藍川は秘書の仕事が初めてだとは思えないほど
完璧に仕事をこなしてくれた。
コーヒーなんかは言わずとも
欲しいタイミングで出てくるし、
まとめて欲しい資料を渡せば、
5分も経たず返してくれる。
おまけにパソコンのタイピングも早く、
指示した通りに動いてくれる。