恋愛の仕方おしえます。


…あ、
ヤッちまった。



気がつけば俺は、
青柳をぶん殴っていた。



目の前で口から血を垂らしながら
尻餅をついてる野郎を見て、
少し、スッキリする。


「しゃ…ちょ……」

「行くぞ、藍川。」



多少の冷静さを取り戻した俺は
大きな騒ぎになる前に
藍川を連れ出し外へ出る。


居合わせたタクシーを捕まえると、
藍川を後部座席に寝かせ、
自分は助手席に乗り込んだ。


「お客様、行き先は?
どちらへ向かいましょうか?」


運転手に聞かれた俺が
藍川に問いかける。


「おい、藍川。
どこへ送って行けばいい?」


「………。」


「おい藍川!」


「…ぐぁ〜〜〜…、がごォ〜〜〜〜………」


振り返って見てみれば、
藍川は既に大きな口を開けておっ死んでいた。


女とは思えぬ程の凄いイビキに
思わず笑いが溢れてしまう。


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