恋愛の仕方おしえます。
一人で苦悩する私が
ようやく美味しいパスタを食べ終わった頃。
桐山社長は
「行くぞ。」
とだけ言って席を立つ。
…彼はレジを素通りして
さっさとお店を出ていってしまった。
私が仕方なしに「おいくらですか?」
と尋ねると、
「お客様、もうお代は頂いております。」
と店員さん。
???
いつのまに支払ったのだろうか…?
とにかく、私は店外に出て
すぐに社長の後を追いかけた。
「あのっ!桐山社長!美味しいパスタご馳走さまでした!」
社長は私のお辞儀なんかスルーして、
女性ものの靴屋さんへ入ってく。
って・・・?
なんで?
そして5分もしないうちに出てきたかと思うと、
新品のシューズを私に手渡し、一言。
「履き替えろ。」
「…な?」
「お前歩くのが遅ぇんだよ。
どうせ足痛いんだろ?
だから本社ではこれを履け。」
どうやら、
桐山社長はなんでもお見通しらしい…。
「でも…、ヒールじゃないと…
皆から怒られちゃいますよ。」
「誰に怒られるんだよ?社長は俺だよ。
誰にも文句は言わせない。」
「………。」