恋愛の仕方おしえます。

ー 夜7時 ー


指定されたホテルは
都心のど真ん中にある超高級ホテルだった。

その45階にあるフレンチレストランは
大人の雰囲気漂うロマンチックな空間で…

スーツ姿の私なんかが到底、
足を踏み入れて良い場所ではない。


「あの…」

「藍川様でいらっしゃいますね。
中で桐山様がお待ちでございます。
ご案内して宜しいでしょうか?」


まだ名乗ってもないのに
名前を言い当てられて、
私は緊張からコクンと頷くことしかできなかった。


ウェイトレスさんにエスコートされレストラン内へ進んでいくと、
そこには見たこともない綺麗な夜景が広がっている。
床には散りばめられた天然石がキラキラと輝いているし、
まるで、天空のレストランに迷い込んだみたい。

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