恋愛の仕方おしえます。
…そうだった。
この人は私をからかう天才だったのに、
自ら墓穴を掘るような
こんなセリフを吐いてしまうなんて…
私は正真正銘のバカだ…。
桐山社長を見れば
大人ぶった余裕な表情でこちらを見据えている。
きっと、今この人は
真っ赤な顔でたじろいでいる私を見て、
愉しんでいる。
恋愛経験ゼロの私の動揺が
面白くて仕方ないんだ。
「…凄いですね…。桐山社長の答えは。
私の想像を遥かに超えてきました。」
「そりゃ、どうも。
俺はお前よりも三年長く生きてるもんでね。」
「よくも真顔でそんな恥ずかしい事が言えますよね。そんなにご自分に自信があるんですか?」
「自信ならあるよ。その辺の小僧には負けるつもりもないし。」
「…そうですか。
でも、桐山社長には美人な彼女がいますよね?」