恋愛の仕方おしえます。
ー 18時前 ー
自己流のヘアメイクを施した私は
薄ピンクの上品なドレスに身を包み、
新作のバッグとパンプス、
そして、社長から貰ったネックレスをつけて
パーティー会場に辿りついていた。
会場は青山の一等地にある
原田社長の別宅。
鉄柵の門の先には
洋風の超ゴージャスな御屋敷が建っていた。
目先の庭には赤いカーペットが敷かれている。
サイドには小さな照明が等間隔で並んでいて
そこを通る自分は…
さながら海外セレブにでもなった気分だった。
実際、私の想像していた社交パーティーとは
全く違っていた。
訪問客のほとんどは若く容姿の整った人ばかりだし、会場もかなりオシャレ。
周囲からの視線を感じると、
本当に、自分が来ても良かったのかと不安になってしまう。
一応社長秘書とはいえ、
無能で冴えない自分は場違いであるような気がしてならなかった。
会場の入り口では
自棄に女性の声が色めいている…
と思ったら、やはり意中のこの人は居た。