恋愛の仕方おしえます。

「…あの…っ、すみません…」

私が疑問を投げかけるよりも前に
桐山社長が遮って聞く。

「お前、今の話聞いてたな?」


「え…っと、…今の話というと…」


「とぼけんな。
手が足りねぇんだよ。
クビになりたくなきゃ手ェ貸せや。」

・・・。

まるで取り立て屋のような
脅し文句で羊の私に迫るオオカミ…。


「えっと…、ですが…」

「明日から、お前は俺の秘書だ。
いいな?」

「…ふぁっ!?や、よくないですよ!」

「いいから、やれよ。社長命令だ。」



---ええええええエっ!



「明日の朝、8時、社長室。
来なきゃクビね。」


………まさに、問答無用だった。

自分の言いたい事だけ言って、
颯爽とエレベーターを後にする社長サマ…。



キャーキャー騒がしい黄色い声援を浴びて
あっという間に姿を消しやがった。


ん?

えーと…。

これは、どういうことだ?

…私の身に、一体何が起きたというのだ?


展開の早さに理解が追いつかないのですが!


え、ちょっと待って?
ちょっと待って?
男嫌いな私が"あの"社長の、秘書!?


…ムリムリムリムリ。


絶対無理!


100パー無理!!!


ありえないですからっっ!!!!!

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