恋愛の仕方おしえます。
あまりにも平然とした顔で
煙草を吸い続ける桐山社長。
私はぽけーっと、ただその姿を眺めてた。
やがて社長が煙草を吸い終わり、
慣れた手付きで灰皿に先端を押し付ける。
「俺は今から仕事行くから、ついでにお前も車乗っけてやるよ。家まで送ってく。」
腕時計を付けながら、
社長が言うので私は従順に従った。
ドレスやバッグを手に持ち、
社長と一緒に家を出る。
タワーマンションの
エレベーターで最上階から地下へ移動して、
漆黒の高級車へ辿り着くと、
社長に誘導されるがまま助手席へ乗り込んだ。
そのまま暫くは大人しくしていた私だったが…
社長に住所を尋ねられたところで
急に実感が湧いてくる。
「おい、さっきから聞いてんのか?
お前の家の住所を言えっつてんだよ。」
・・・え、ヤッた!?
男性経験ゼロの私と、桐山社長が…!?
待って待って待って、なんで!?
昨日あのあと
どんな展開の流れでそんな事になるっていうの!?
ていうか、それならなんで、
この人はこんなに普通に喋ってんの!!?
普通ない?
なんていうか…、恥じらい的なもの!
って、私はじめてだから
なんにも分かんないんだけどさ!
はじめての経験なのに
記憶がないなんて最悪じゃん…!
てか、そもそも男の人の家に足を踏み入れたのも初めてだし!!
何なの、この高級タワーマンション!?
何なの、この高級車!?
何なの、この男!!!
昨日酔っ払った私を助けてくれたはずなのに、
記憶のない私を抱くなんて…
最っ低!最っっっ悪!!!!!!