恋愛の仕方おしえます。
ずっと私が黙っているからか、
仕方なく車を道路脇に寄せて
停車させた桐山社長。
「おいって…!」
問いかけられたその声に、
私は一気に不満を爆発させる。
「信じられない…!サイッテー!」
「……っ!?」
「昨日私を助けてくれたのは、
偽善活動だったんだ?」
「…は?」
「酔った女に手を出すなんて…
…あんたなんて、
あの長髪クソ野郎と同類じゃん!」
「…おい、待て。落ち着け。
急にどうしたんだよ?」
「これが落ち着いてられるかっての!
こっちはね!初体験だったんだからね!!!」
「………」
突然の私の迫力に、
桐山社長は呆気にとられてる様だった。
それでも、
26年間のハジメテを守り抜いてきた
私の不満は止まらない。
「なんでそんな事したの?
ありえない…、本当にありえないっ!!
私…男が嫌いなのにっ!!!」
「!!!」
桐山社長の肩をバシバシと殴りながら
文句を訴え続けた。
「嫌い…っ!!キライ!!あんたなんか…!!」
殴り続ける手首を
社長に制止さると、
私の抑えきれない感情が
今度は何故か涙となって溢れでてくる。
吃驚した表情の桐山社長は
何の言葉もなく、
すぐに私の手を離したのだった。
「…っ……男なんか大っ嫌い……っ!
誰にも言ったこと…なかったけど…、
それでも……、桐山社長には……
……社長なら…って、そう思ってたのに…!!」
「悪い…。知らなかったよ。
だから泣くな。」
「謝らないで下さい!
余計惨めになるでしょう…!?」