レフティ
それ以上を超えられない関係
「いいなぁ、里香は」
美沙は口を尖らせて、恨めしそうに私を睨んだ。
もうこれで3回目だ。
「いや、うん…よかったけど…」
私は彼女から視線を逸らして、ポテトサラダを頬張り、何か違う話題を必死に考える。
お互いの地雷に触れない、ちょうどいい話題。
何かないだろうか。
「やっぱさぁ、里香みたいに堅い方が、落とし甲斐があるのかな〜」
「…落とし甲斐って。その言い方やなんだけど」
私がちょうどいい話題を振れなかったばっかりに、彼女と久しぶりに険悪な雰囲気になってしまった。
なぜ私たちが、わざわざ地元の居酒屋でこんなことになっているのかと言うとーー