俺様系和服社長の家庭教師になりました


 部屋には入った後は、取り置きしたタオルを色にお渡しして、買い物は終了した。大きい荷物になってしまうため、会社まで届ける事を勧めたが、色は「今から行くからいい。」と言いそのまま受け取ったのだ。


 「さて。家庭教師の件は、受けてくれるんだな。」


 一週間前と同じように、仕事の話が終わるとすぐに俺様社長に戻っていた。これは、一種のオンオフの切り替えなのだろうか?と翠は思った。
 2回目ともなると、少しは慣れるようで「怖い!」とは、あまり感じなくなった。(そのような怖い態度を見せていないからかもしれないが、、、。)


 「か、家庭教師、なんですよね、、。」
 「勉強を教わるんだからそうだろ?」
 「なるほど、、、なんか、懐かしい響きですね。」

 改めて聞く、家庭教師という言葉に多少の驚きと懐かしさを感じながらも、自分よりも(たぶん)年上でエリートの男性の教師になる事に、今さら焦りを感じてしまう。
 だが、もう決めたことだ。


 「で、やるんだな?」
 「はい。ぜひ、仕事としてやらせてください!」
 「仕事としてね。なるほど。決めた要因は?」
 「め、面接ですか?」
 「興味あるだけだ。」


 自分の興味のために聞くのか!と、突っ込みを入れたくなりながらも、これからの雇い主でもあるのだ。文句を言って険悪な雰囲気になったまま、家庭教師をするのも嫌なので、ここは素直に従う事にした。


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