俺様系和服社長の家庭教師になりました


 「冷泉様…?」
 「私服は初めて見た。仕事のタイトスカートもいいが、フレアのワンピースもなかなか似合ってる。おまえは、こっちの方が雰囲気に合っている。」
 

 髪を撫でていたが、少しずつその手を降りてきて頬を撫でるように優しく指で触れられる。それが少しだけくすぐったくて、体を縮ませると色は意地悪くニヤリと笑った。
 

 「髪も下ろしいてる方が俺好みだ。」
 「えっと、、、そのありがとうございます。」


 指で顔を撫でられると、さすがに照れてしまい、視線を外に反らした。すると、輪郭をなぞっていた指が唇に触れられると、翠は驚き色の顔をちらりと見た。すると、そこには先ほどまでの彼の表情ではなく、真剣に見つめる姿があった。

 それは、先日のVIPルームでも見たあの表情だ。少し切なげで、見ているとこちらも胸が締め付けられる。どうしていいかわからずに、翠が触れた指にそっと手を添えた。


 「色さん?どうしましたか………?」
 

 声を掛けると、色はハッとした表情をして手を話したら。触れた瞬間に、意識をを戻したような反応。翠は、触れた手を一瞬にして下げられてしまい、驚き体を硬直させてしまう。


 「悪い。………綺麗だったから触れたくなった。ぼーっとして、悪かったな。授業、始めてくれ。」


 素っ気なくそう言うと、すぐに視線をテーブルの本に移した。
 翠はほっとしながらも、彼が触れたところが熱を持っているように熱くなっているのを感じていた。


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