私と君と夢物語。
ずっと放置して皆のLINEを未読無視していたことに少し罪悪感を持ち、スマホを開いた。
楓、大貴、しほ、優斗、ネッ友。
優斗だけを既読スルーし、他の人のはてきとーに尚かつ話が通じるように返信した。
カバーを閉じ机に置いた。
箸を持ち食事を始める。
携帯鳴る。楓から通話の着信が来たが、少しうるさく感じ、思わず「拒否」を押してしまった。
家の中は、私の食事音、妹の明日の学校への準備する音だけが響いている。
誰一人として言葉を発さない。
いつもなら食事中だってきゃっきゃ騒いでる妹なのに、私とお母さんの重い空気を読みとっているのか?
ただ習い事に行くのを一回忘れてしまっただけなのに、、
私はそうやって逃げる。私のダメなところ。嫌なことがあればすぐ逃げる。誰かのせいにして逃げる。
なんて卑怯な人間何だろう。
自分の中では外に出していないつもりだけど、結局は皆からも見えてる。
だから友達だって少ないし、ろくな彼氏も出来ない。
どんどん家の空気が重くなる。私がネガティブになりすぎ?思い込みすぎ?
ちょっと前までは楓たちとわいわいしてたのに、翔磨と居れて嬉しくて楽しい時間だったのに、
自分のせいなのに、自分のせいにしたくない。
ご飯の最後の一口を口に入れる。
ご飯を噛み締めたって何も起こらない。
何の感情だって、ただ沸き上がってくるのは妬みと自分への憎しみ。それと、少しの悔しさ。
食器を片付け、お風呂に入る前にもう一度スマホを開く。
27件。
20件はネッ友とのグループ。5件が楓。残り1件ずつがしほと大貴。
翔磨の連絡先ほしいな。
話すことなんてほとんど無いけど。それでも、他愛のない話がしたい。
お風呂に入る。
温かいシャワーを浴びながら今日の出来事を思い出した。
翔磨に、「好き」っていう感情を抱いている翔磨に手を握られた。
「俺らはペア」
あの言葉が頭の中を駆け巡る。
翔磨はどんな気持ちで言ったんだろう。
今、翔磨はどんな事を思っているのだろう。
私のことどう思っているのだろう。
聞きたいことばかりが思い浮かぶけどどれも、聞けないことばかり。
聞きたいけど、翔磨にしかわからないこと。
だからって翔磨に直接聞けない。
カレカノでもないただの友達じゃん。