私と君と夢物語。


ずっと放置して皆のLINEを未読無視していたことに少し罪悪感を持ち、スマホを開いた。


楓、大貴、しほ、優斗、ネッ友。



優斗だけを既読スルーし、他の人のはてきとーに尚かつ話が通じるように返信した。

カバーを閉じ机に置いた。




箸を持ち食事を始める。




携帯鳴る。楓から通話の着信が来たが、少しうるさく感じ、思わず「拒否」を押してしまった。




家の中は、私の食事音、妹の明日の学校への準備する音だけが響いている。


誰一人として言葉を発さない。


いつもなら食事中だってきゃっきゃ騒いでる妹なのに、私とお母さんの重い空気を読みとっているのか?



ただ習い事に行くのを一回忘れてしまっただけなのに、、




私はそうやって逃げる。私のダメなところ。嫌なことがあればすぐ逃げる。誰かのせいにして逃げる。

なんて卑怯な人間何だろう。

自分の中では外に出していないつもりだけど、結局は皆からも見えてる。



だから友達だって少ないし、ろくな彼氏も出来ない。

どんどん家の空気が重くなる。私がネガティブになりすぎ?思い込みすぎ?


ちょっと前までは楓たちとわいわいしてたのに、翔磨と居れて嬉しくて楽しい時間だったのに、


自分のせいなのに、自分のせいにしたくない。




ご飯の最後の一口を口に入れる。



ご飯を噛み締めたって何も起こらない。


何の感情だって、ただ沸き上がってくるのは妬みと自分への憎しみ。それと、少しの悔しさ。





食器を片付け、お風呂に入る前にもう一度スマホを開く。




27件。



20件はネッ友とのグループ。5件が楓。残り1件ずつがしほと大貴。




翔磨の連絡先ほしいな。


話すことなんてほとんど無いけど。それでも、他愛のない話がしたい。







 お風呂に入る。



温かいシャワーを浴びながら今日の出来事を思い出した。




翔磨に、「好き」っていう感情を抱いている翔磨に手を握られた。



 「俺らはペア」



あの言葉が頭の中を駆け巡る。




翔磨はどんな気持ちで言ったんだろう。

今、翔磨はどんな事を思っているのだろう。

私のことどう思っているのだろう。








聞きたいことばかりが思い浮かぶけどどれも、聞けないことばかり。


聞きたいけど、翔磨にしかわからないこと。






だからって翔磨に直接聞けない。



カレカノでもないただの友達じゃん。


< 12 / 25 >

この作品をシェア

pagetop