私と君と夢物語。



コンドームも持っていない。向こうは持っているのだろうか。




不安に押しつぶされそうになりながら朝を迎えた。




 集合場所は小学校。懐かしい風景が広がる。






「よぉ!莉桜!」


ぞくっとした。



「久しぶり、」

「今日、俺ん家親居ないから、」


「本気?」

「本気だけど?」




にやつく晴人。後ずさりしてしまう私。







   怖い。怖い。怖い。









小学校の時に戻りたくてへらっと笑って




「それより、映画見に行かない?お金は奢るからさ?」

「は?いいから、行くよ?」



変わってしまった晴人に絶句した。


「いや!」



掴まれた手を振りほどき家に帰ろうと急ぎ足で引き返す。



「おい!莉桜!」

「いや、いや、いや、いや、いや」




息が荒くなる。晴人への恐怖で涙で目が滲む。こんなのじゃなかった!こんなの晴人じゃない!


足を速める。走り出す私。もう晴人はみえない。



初彼氏がこんなのなんて!最悪!





家に帰ると携帯に「ごめん」と来ていた。


「うん」とだけ返す。他の人とするから、そうきた。


そして別れ話が持ち上がった。






 「付き合ってて意味がない」



お互いの意見がそこで落ち着いた。





やっぱり、体目当てだったんだ。寂しくなる。あの時の晴人が好きだった。


もう、あの晴人は居ないのか、涙が溢れた。



なんの涙なの?意味が分かんない。




その後、晴人の連絡先は直ぐに消去した。全て。





もう、あんな人は関わらない。














  だいっきらい。


< 9 / 25 >

この作品をシェア

pagetop