私と君と夢物語。
コンドームも持っていない。向こうは持っているのだろうか。
不安に押しつぶされそうになりながら朝を迎えた。
集合場所は小学校。懐かしい風景が広がる。
「よぉ!莉桜!」
ぞくっとした。
「久しぶり、」
「今日、俺ん家親居ないから、」
「本気?」
「本気だけど?」
にやつく晴人。後ずさりしてしまう私。
怖い。怖い。怖い。
小学校の時に戻りたくてへらっと笑って
「それより、映画見に行かない?お金は奢るからさ?」
「は?いいから、行くよ?」
変わってしまった晴人に絶句した。
「いや!」
掴まれた手を振りほどき家に帰ろうと急ぎ足で引き返す。
「おい!莉桜!」
「いや、いや、いや、いや、いや」
息が荒くなる。晴人への恐怖で涙で目が滲む。こんなのじゃなかった!こんなの晴人じゃない!
足を速める。走り出す私。もう晴人はみえない。
初彼氏がこんなのなんて!最悪!
家に帰ると携帯に「ごめん」と来ていた。
「うん」とだけ返す。他の人とするから、そうきた。
そして別れ話が持ち上がった。
「付き合ってて意味がない」
お互いの意見がそこで落ち着いた。
やっぱり、体目当てだったんだ。寂しくなる。あの時の晴人が好きだった。
もう、あの晴人は居ないのか、涙が溢れた。
なんの涙なの?意味が分かんない。
その後、晴人の連絡先は直ぐに消去した。全て。
もう、あんな人は関わらない。
だいっきらい。